冬季における立体駐車設備の使用上の注意点
冬季に入ると、立体駐車設備は低温や雨雪の影響を受けやすくなり、安全上のリスクが高まります。そのため、季節の変わり目には保温対策だけでなく、保守やメンテナンスにも十分な注意が必要です。以下に、冬季における立体駐車設備の保守ポイントを簡単にご紹介します。
1.潤滑に注意する
立体駐車設備は高強度の鋼材で構成されていますが、鋼材は低温下で熱膨張・収縮が発生しやすくなります。したがって、平常時よりも頻繁に設備を点検し、重要な部品の潤滑状態を確認することで、乾燥摩擦による故障を防ぎましょう。
2.防水・防雨対策を行う
屋外に設置された立体駐車設備には、防水・防雨の外装対策が必要です。屋内設備については、消防設備や配管の巡回点検を強化し、横移動レール、ケーブル配管、消火器、電気ボックスなどが雨水に晒されたり、水たまりに浸かったりすることを防ぎましょう。これにより、配線のショートや予期せぬ運転トラブルを回避できます。
3.防雪・防滑に注意する
寒波や雪・雨の時期、およびその後には、通路やスロープの滑り止め対策や清掃作業、立体駐車設備の安全巡回を徹底しましょう。また、設備に積もった雪を早めに除去することで、部品の湿気による劣化や故障を防ぎます。
4.凍結防止に努める
油圧式の立体駐車設備を使用している場合は、冬季には油量の補充および凍結防止対策が必要です。使用する油圧オイルは、防凍剤を含むものを選び、凍結による動作不良を未然に防ぎましょう。
5.使用前に試運転を行う
長期間使用していない設備については、次回の使用前にまず試運転を行い、正常に昇降するかを確認してから使用してください。動作中に異音がしないか注意深く聞き取り、異常があればすぐに点検・修理を行いましょう。
6.火気厳禁を徹底する
駐車場内での喫煙や火気の使用は厳禁です。施設内の消防設備を事前に十分に整備し、定期的に防火訓練を実施することが求められます。